以前このブログでは、ルーキーが新人王を獲得するために必要な出場試合数についての記事を投稿しました。
そこではドラフト1位ザイオン・ウィリアムソンが新人王を獲得できるのかに着目しましたが、実際に彼が新人王を獲得することはありませんでした。
では過去にドラフト1位から新人王を獲得した選手は何人いたのでしょうか。
というわけで今回はドラフト1位から新人王を獲得した往年のスター選手たちを紹介したいと思います。
2000年以降にドラフト1位から新人王を獲得した選手たちについては、別の記事でまとめていますのでこちらも合わせてご覧ください。
押さえておきたいポイント
"ドラフト1位から新人王を獲得した往年のスター選手たち"を理解するために押さえておきたいポイントはざっくりとこんな感じです。
- NBAドラフトって?
- ドラフトでは何人指名される?
- 新人王はいつからある?
- 新人王はどうやって決める?
- ドラ1から新人王を獲得したのは?
ではこれらの疑問をしっかりと解決できるように、"ドラフト1位から新人王を獲得した選手"を紹介していきます。
NBAドラフトと新人王
まずは改めてドラフトや新人王についてざっくりと確認しておきたいと思います。
ここではそれぞれの始まりや制度について紹介します。
NBAドラフト
第一回ドラフトが開催されたのは今から70年以上前の1947年。
まだNBAの前身のBAA時代のことです。
ドラフトが開催された当初は、エントリーした全員を指名するという形式が採用されていました。
そこから徐々に指名数・ラウンド数が減っていき、現在はご存知の通り2巡合計60名を指名する形式となっています。
新人王
NBAで新人王が正式に始まったのは1953年。
それ以前にもメディアによって新人王が発表されていましたが、NBAでは公式に認められていません。
現在のNBAではスポーツライター・メディアの投票によって新人王が決定します。
ちなみに2020年の投票では1位ジャ・モラント、2位ケンドリック・ナン、3位ザイオン・ウィリアムソンという結果でした。
これまでに60年以上続いてきたこの新人王という賞。
ドラフト1位の選手がすんなり受賞していそうなものですが、実際のところそう簡単ではありません。
その証拠にこれまでドラフト1位から新人王を獲得したのは合計21人。
3分の1ほどの選手しか達成していないことになります。
次はそんなドラフト1位から新人王を獲得した選手たちを見ていきましょう。
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ドラ1から新人王獲得
本題であるドラフト1位から新人王を獲得した選手たちを見ていきます。
ここで紹介するのは1953年から1999年の間に新人王を受賞した往年のスター選手たちです。*1
Ray Felix
- シーズン:1953-54
- チーム:Baltimore Bullets
- スタッツ:17.6 PTS 13.3 REB 1.1 AST
NBA史上初めてドラフト1位から新人王を獲得したのは、ボルチモアブレッツ時代のレイ・フェリックスです。
ロングアイランド大出身のフェリックスは、1年目からチームトップの平均17.6得点13.3リバウンドの活躍。
ルーキーながらオールスターに選出され、勢いそのままにその年の新人王も獲得しました。
Elgin Baylor
- シーズン:1958-59
- チーム:Minneapolis Lakers
- スタッツ:24.9 PTS 15.0 REB 4.1 AST
フェリックスの受賞から5年後の1959年、のちに11度オールスターに選出される殿堂入り選手エルジン・ベイラーが新人王を獲得しています。
ベイラーは1年目にして既にリーグ第4位の平均24.9得点をマーク。
Oscar Robertson
- シーズン:1960-61
- チーム:Cincinnati Royals
- スタッツ:30.5 PTS 10.1 REB 9.7 AST
オスカー・ロバートソンもドラフト1位から新人王を獲得しています。
ロバートソンは1年目から平均30.5得点10.1リバウンド9.7アシストという驚異的な数字をマーク。
翌年には史上初となるシーズン平均トリプルダブルを達成しました。
Walt Bellamy
- シーズン:1961-62
- チーム:Chicago Packers
- スタッツ:31.6 PTS 19.0 REB 2.7 AST
ロバートソンの受賞の翌年、レジェンドウォルト・ベラミーがドラフト1位でNBAに入団。
のちに30-30という偉大な記録を達成するベラミーは、1年目にリーグ第2位の平均31.6得点を記録します。
リバウンドでもリーグ第3位の平均19.0本をマークし、その年の新人王に選出されました。
Lew Alcindor
- シーズン:1969-70
- チーム:Milwaukee Bucks
- スタッツ:28.8 PTS 14.5 REB 4.1 AST
ルー・アルシンダー、後のカリーム・アブドゥル・ジャバーもドラフト1位から新人王を獲得した選手です。
チームトップの平均28.8得点14.5リバウンドをマークしたジャバーは新人王を獲得。
その翌年はシーズンMVPを受賞することになります。
Ralph Sampson
- シーズン:1983-84
- チーム:Houston Rockets
- スタッツ:11.1 PTS 21.0 REB 2.0 AST
ジャバーから次のラルフ・サンプソンの受賞までには14年間のブランクがありました。
サンプソンといえばヒューストンロケッツなどで活躍した身長2m24cmの超大型センター。
キャリア後半は怪我に悩まされたものの、ルーキーシーズンから4年連続でオールスターに選出されるなど輝かしい成績を残しています。
Patrick Ewing
- シーズン:1985-86
- チーム:New York Knicks
- スタッツ:20.0 PTS 9.0 REB 2.0 AST
ジョージタウン大出身のスーパースターパトリック・ユーイングもドラフト1位から新人王を受賞しました。
怪我の影響で50試合の出場に留まったにも関わらずその年の新人王を受賞。
ちなみにこの50試合出場での受賞というのは、ビンス・カーターと並んで歴代最少試合数の新人王です。
David Robinson
- シーズン:1989-90
- チーム:San Antonio Spurs
- スタッツ:24.3 PTS 12.0 REB 2.0 AST
提督の異名を持つレジェンドデビッド・ロビンソン。
彼は1年目からチームトップの平均24.3得点12.0リバウンドをマークし、その年の新人王を獲得しました。
このロビンソンの受賞からは5年連続で、ドラフト1位選手が新人王を獲得していくこととなります。
Derrick Coleman
- シーズン:1990-91
- チーム:New Jersey Nets
- スタッツ:18.4 PTS 10.3 REB 2.2 AST
90年代にニュージャージーネッツなどで活躍したデリック・コールマン。
シラキュース大学からドラフト1位でNBAに入団したコールマンは、同期のゲイリー・ペイトンやトニー・クーコッチらを抑え新人王に輝いています。
コールマンといえばNBAで5×5を達成した数少ない選手の一人です。
Larry Johnson
- シーズン:1991-92
- チーム:Charlotte Hornets
- スタッツ:19.2 PTS 11.0 REB 3.6 AST
ラリー・ジョンソンはUNLV時代に全米最優秀選賞を受賞し、ドラフト1位でシャーロットホーネッツに入団します。
NBA1年目からオールスターのスラムダンクコンテストに出場するなど注目度は随一。
その年の新人王を獲得し、翌年にはオールスター本戦出場も果たしました。
Shaquille O'Neal
- シーズン:1992-93
- チーム:Orlando Magic
- スタッツ:23.4 PTS 13.9 REB 1.9 AST
史上最強の呼び声高いセンターシャキール・オニールもドラフト1位から新人王を獲得した選手です。
NBAデビュー1週目からいきなり週間MVPを獲得するなど圧倒的な活躍を見せたシャック。
マイケル・ジョーダン以来となるルーキーでのオールスタースターター選出を果たし、その年の新人王も獲得しました。
Chris Webber
- シーズン:1993-94
- チーム:Golden State Warriors
- スタッツ:17.5 PTS 9.1 REB 3.6 AST
ファブファイブで一世を風靡したミシガン大のスーパースタークリス・ウェバー。
ドラフト1位でNBA入りしたウェバーは、平均17.5得点9.1リバウンドの活躍でその年の新人王を獲得します。
しかしながら1年目の時点で既にチームとは起用方針で対立し、サイン&トレードによってシーズンオフにワシントンブレッツへと移籍することとなりました。
Allen Iverson
- シーズン:1996-97
- チーム:Philadelphia 76ers
- スタッツ:23.5 PTS 4.1 REB 7.5 AST
1984年・2006年のドラフトと並び史上最高と称される1996年において、ドラフト1位指名を受けたアレン・アイバーソン。
低迷するチームの中で平均23.5得点7.5アシストという活躍をみせたアイバーソンは新人王に選ばれます。
ちなみにこの年の新人王投票で2位だったのは、コービー・ブライアントでもスティーブ・ナッシュでもなくステフォン・マーブリーでした。
Tim Duncan
- シーズン:1997-98
- チーム:San Antonio Spurs
- スタッツ:21.1 PTS 11.9 REB 2.7 AST
最後に紹介するのは、スパーズで5度のリーグ制覇を達成するなど一時代を築いたレジェンドティム・ダンカンです。
ダンカンは8年前に新人王を受賞した先輩デビッド・ロビンソンとともにツインタワーと称され、平均21.1得点11.9リバウンドの活躍で前年22勝だったチームを牽引します。
1年目からオールスター出場を果たしその年の新人王に輝きました。
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*1:ここで紹介するスタッツは記事作成時点のhttps://www.basketball-reference.com/より抜粋