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知識0からNBAが解るブログ

リバウンドを理解するには「TRB%」を学ぶと良いらしい



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八村塁選手はNBA1年目からワシントンウィザーズのスタメンとして活躍し、同期のルーキーと比較してもトップクラスの成績を残しています。

具体的なスタッツで見てみると、1試合あたりのリバウンド数6.1本というのは40試合以上出場しているルーキーの中でトップの記録です。


その一方でTRB%(トータルリバウンドパーセンテージ)を見てみると、八村選手の11.1%という成績は40試合以上出場しているルーキーの中で8位にまで順位が下がります。

あまり馴染みがないスタッツですが、一体このTRB%とはどういった数字なのでしょうか。


NBAでも偶に目にするスタッツなので、この機会にしっかりと解説しておきたいと思います。





「用語で解るNBA」とは

このブログは知識0からNBAが解るということをテーマにしています。

「用語で解るNBA」では単に用語の意味を知るだけでなく、その用語を通じてNBAを理解していくことが目的です。

<用語で解るNBA

❌ とりあえず用語の意味を知る
⭕️ 用語を通してNBAを理解する

この記事では”TRB%”という用語を詳細にではなくざっくり解説します。

その中でもテーマ図解を交えることで納得してNBAを理解できるようになっています。



押さえておきたいポイント

”TRB%”を理解するために押さえておきたいポイントはざっくりとこんな感じです。

  1. TRB%って?
  2. どうやって計算するの?
  3. TRB%はなぜ重要?
  4. TRBの数だけじゃダメなの?
  5. 今シーズンTRB%が高い選手は誰?


ではこれらの疑問をしっかりと解決できるように、”TRB%”について説明していきます。



TRB%

まずはTRB%の概要をざっくりと紹介します。

「リバウンド」「TRB%とは」「計算方法」というポイントに注目して見ていきましょう。


トータルリバウンド

TRB(トータルリバウンド)というのは、文字通りチームや選手個人が獲得したリバウンドの総数のこと。

言い換えるならオフェンスリバウンドとディフェンスリバウンドの合計数ですね。


では今回のTRB%を理解するためにも「リバウンドが発生する状況」を改めて確認しておきましょう。


バスケットボールにおいてリバウンドというものを大きく分けると、図のように4つのパターンに分類できます。

f:id:jasonKIDO:20200718112428j:plain


なので仮に自チームのTRBの数を求めたい場合には、自チームのORB数とDRB数を合計すればいいんですね。

何を今更って感じですが、まずはこの図をしっかりと頭に入れた上で本題のTRB%について見ていきましょう。



TRB%とは

TRB%(Total Rebound Percentage)はチームや選手を評価する際に用いられる指標の一つです。

媒体によってはRB%REB%と表記される場合もあります。


試しに”TRB%”を検索するとこのような説明が。

Total rebound percentage is an estimate of the percentage of available rebounds a player grabbed while he was on the floor.

https://www.basketball-reference.com/about/glossary.html




Google翻訳によると「トータルリバウンドパーセンテージとは、プレーヤーがフロアにいる間に獲得する利用可能なリバウンドの割合の推定するもの」だそうです。


何となく言いたいことは分かりますが、これだけだとイマイチ納得できませんね。

なので具体的な例からこのスタッツを紐解いてみましょう。

  • 八村塁のTRB%は11.1%だった


この文章を噛み砕いて説明すると...

  • 八村塁は、出場しているとき、外れたシュートのうち11.1%をリバウンドにした


といった解釈になります。

TRB%というスタッツが何となく見えてきましたね。


スタッツを捉える為に重要なポイントは3つ

  • 出場しているとき
  • 外れたシュートのうち
  • XX%をリバウンドにした


「外れたシュート」を言い換えると「実際取れたかどうかは別にして獲得可能だったリバウンドの数」と言えますね。

先ほどの図ではこの部分。

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TRB%はそんな「獲得可能なリバウンド」に対して実際は「何本のリバウンドが取れるのか」という割合を示しているんです。


つまりTRB%は「出場しているとき、獲得可能なリバウンドのうちどれくらいをリバウンドにできるか」で選手のリバウンド能力を測るというテーマを持ったスタッツなんですね。

まずはこのテーマを頭に入れて、次はスタッツの計算方法からTRB%を見ていきましょう。



計算方法

スタッツの計算を自力でする機会は中々ないとは思いますが、TRB%をより理解する為にも計算方法を紹介しておきたいと思います。

TRB%は以下の計算式で求めることができます。*1 *2 *3

f:id:jasonKIDO:20200718112438j:plain


一目でこのスタッツが嫌いになりそうな計算式です。

しかし複雑に見えるこの計算式も、実は先ほど紹介したスタッツのテーマを理解していれば簡単です。


TRB%は「出場しているとき、獲得可能なリバウンドのうちどれくらいをリバウンドにできるか」で選手のリバウンド能力を測るものでした。

「出場しているとき」「獲得可能なリバウンド」「リバウンド」が計算式のどの部分に当てはまるのかさえ分かれば、この計算式の意味も自ずと見えてきます。

f:id:jasonKIDO:20200718112444j:plain

(Team TRB + Opp TRB)というのは先ほど図でも見た通り「実際取れたかどうかは別にして獲得可能だったリバウンド」のことです。


それぞれの部分が意味する内容を把握することで、この計算式がスタッツのテーマに帰結していることを理解できたと思います。

とりあえずはこの計算式が「出場しているとき、獲得可能なリバウンドのうちどれくらいをリバウンドにできるか」というテーマを落とし込んだものだと何となく理解できればOKです。


ちなみにチーム全体のTRB%を求める場合には「出場しているとき」という部分を考慮しなくていいので、よりシンプルな計算式で求めることができます。


f:id:jasonKIDO:20200718112450j:plain


こちらも合わせて把握しておきましょう。

  1. TRB%は選手やチームを評価する指標の一つ
  2. 獲得可能なリバウンドに対するTRBの割合で評価する
  3. 計算では出場時間も考慮している




TRB%の意義

ここまでTRB%の概要や計算方法について紹介してきました。

では次にもう少し踏み込んで、このスタッツの意義を考えてみたいと思います。*4


シュート本数、確率の影響

リバウンド能力、パフォーマンスを分析したいと考えたとき、当然まずはTRBの数を見てみようとなりますね。

では実際に行われた試合のスタッツを元に、選手のリバウンドを分析してみましょう。


ブルックリンネッツに所属するジャレット・アレン選手が出場した2つの試合を例として見ていきたいと思います。*5

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ご覧の通りアレンは2つの試合でともに10本のリバウンドを獲得しています。

つまりこの表からは、アレンがどちらの試合でも同じくらいのリバウンドパフォーマンスを発揮したのだろうと想像することができますね。


しかし本当にこれでリバウンドの能力、パフォーマンスを分析したと言えるのでしょうか。


NBAの試合とはいえ、当然試合ごとにペース(攻撃回数)やシュートの精度には多少なりとも差が生じます。

シュートの本数や確率に差が生まれるということは、シュートが外れる本数、つまり獲得可能なリバウンドの数にも差が生まれるということですよね。


先ほどの表に獲得可能なリバウンド数を合わせて見てみましょう。

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このように比較してみると一目瞭然ですね。

同じ10本のリバウンドを獲得していても、そもそもの獲得可能なリバウンド数にこれだけ差があるわけです。


なのでより少ないリバウンド機会の中でTRB10本を記録した11月24日の方が、リバウンドのパフォーマンスでは優れていたということが分かります。

つまり獲得可能なリバウンドの数の差によって影響を受けるTRB数を比べるだけでは、本質的なリバウンド能力、パフォーマンスを測ったことにはならないんですね。



出場時間の影響

各試合ごとにチームのシュート本数・確率に差がある以上、単純なTRB数だけでリバウンドの能力を評価するのは適切でないようです。

では同じ試合に出場している選手同士の場合には、TRBの数だけで比較しても問題ないということでしょうか。


今度はジャレット・アレンのスタッツと、同じ試合に出場しているチームメイトのキャリス・ルバートのスタッツを比較したいと思います。*6

f:id:jasonKIDO:20200718112506j:plain


両選手は同じ試合に出場し、同じ数のTRBを獲得しています。

同じ試合ということは「獲得可能なリバウンド」に差が無いはずですので、2人は同じ位のリバウンド能力を持っているんだろうと読み取れます。


既にお気付きだとは思いますが、この場合も残念ながらそうとも言い切れないんですね。


ここに両選手の出場時間を合わせてみてみましょう。

f:id:jasonKIDO:20200718112513j:plain


両選手は同じ試合で同じ数のTRBを獲得していますが、出場時間に大きな差があります。

ということはより短い出場時間で同じ数のTRBを獲得しているジャレット・アレンの方が、より効率よくリバウンドを取れる選手だということが分かります。


このようにTRBの数は「獲得可能なリバウンド」の差だけでなく、「出場時間」の差にも影響されるということなんです。

そうなってくるとやはり単純なTRBの数だけでチームや選手のリバウンド能力を測ることはできそうにありません。


ここで登場するのが今回の主役TRB%ですね。



TRB%での評価

ここまで出てきた問題を解決しつつ、本質的なリバウンド能力を測る為に用いられるのがTRB%なんですね。

「出場しているとき、獲得可能なリバウンドのうちどれくらいをリバウンドにできるか」というテーマを踏まえて各問題を見ていきましょう。


まずシュートの確率や本数によって「獲得可能なリバウンド」に差が生まれるという問題。

TRB%は「獲得可能なリバウンド」に対する実際の「リバウンド」の割合を示すものでした。

そもそも「獲得可能なリバウンド」を元に割合を計算している訳ですから、その差もしっかりとスタッツに反映されるんです。


検証する為に、先ほど見たジャレット・アレンが出場した二試合のスタッツにTRB%を合わせて見てみましょう。

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するとTRB数だけでの評価とは違い、実際のリバウンドパフォーマンスでは11月24日の試合の方が優れているという本質を、しっかりとスタッツに反映できていますね。*7


では次に「出場時間」の差が影響するという問題。

TRB%のテーマ・計算式には「出場しているとき」というポイントも含まれていましたね。

ということは「出場時間」の差もしっかりとスタッツに反映されるんです。


同じく先ほどのジャレット・アレンとキャリス・ルバートのスタッツにTRB%を合わせてみてみましょう。

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やはりこちらもTRBの数だけの評価とは違って、出場時間の影響もしっかりと反映されています。

このようにTRB%を用いることで、TRB数だけだと見えなかった本質的なリバウンド能力まで測ることが可能になるんです。

  1. 試合によって「獲得可能なリバウンド」に差がある
  2. 選手によって「出場時間」に差がある
  3. TRB%はそれらを反映した評価が可能




TRB%上位選手と注意点

ここまでTRB%というスタッツの意義や有用性を紹介してきました。

最後に「2019-20シーズンのTRB%上位選手」や「スタッツの注意点」についても少し触れておきたいと思います。


2019-20 TRB%上位選手

2019-20シーズンのNBAにおけるTRB%上位選手を見ながら、このスタッツの傾向について見てみましょう。*8 *9

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当然と言えば当然ですが、インサイドの選手が高いTRB%を記録しています。

第9位のドワイト・ハワードのように、TRB数が飛び抜けて多い訳ではないベンチスタートの選手でもTRB%では高順位にランクしている点に注目ですね。



スタッツの注意点

TRB%(トータルリバウンドパーセンテージ)はその名の通りオフェンスリバウンドもディフェンスリバウンドもまとめてその能力を分析するものです。

しかしながらオフェンスリバウンドとディフェンスリバウンドは似て非なるもの。

実はそれぞれに求められるスキルは大きく異なります。


なのでより詳しくリバウンド能力を分析する為には、それらを個別に見ておく必要が必要があるんですね。

それぞれをより詳細に分析する為のORB%DRB%という指標については別の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。




  1. TRBが少なくてもTRB%が高い選手に注目
  2. ORB%DRB%も個別に理解しておく




まとめ

今回はTRB%について解説しました。

長くなってしまいましたが理解できましたでしょうか。

スタッツの持つテーマや意義を理解して必要な情報を読み取れるようになれば、NBAをより楽しむことが出来ると思います。

今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。


ではここで今回紹介した内容を改めておさらいしておきましょう。

  1. TRB%は選手やチームを評価する指標の一つ
  2. 獲得可能なリバウンドに対するTRBの割合で評価する
  3. 計算では出場時間も考慮している
  4. 試合によって「獲得可能なリバウンド」に差がある
  5. 選手によって「出場時間」に差がある
  6. TRB%はそれらを反映した評価が可能
  7. TRBが少なくてもTRB%が高い選手に注目
  8. ORB%DRB%も個別に理解しておく




最後に

今回解説したTRB%に基づいて「NBA史上最もリバウンド能力が高い選手」などもランキングで紹介しています。





「用語で解るNBAというカテゴリーでは他にもNBAの解説を投稿していますので是非覗いてみてください。
「用語で解るNBA」カテゴリーの記事一覧




(参考)
https://www.basketball-reference.com/
https://bleacherreport.com/articles/1040320-understanding-the-nba-explaining-advanced-comprehensive-stats-and-metrics



*1:TRB=個人のリバウンド数、Team TRB=自チームのリバウンド数、Opp TRB=相手チームのリバウンド数、MP=個人の出場時間、Team MP=自チーム全体の出場時間

*2:https://www.basketball-reference.com/about/glossary.htmlを参照

*3:媒体によっては異なる計算式を用いることもある

*4:ここで紹介するスタッツは2020年7月時点でのhttps://www.basketball-reference.comより抜粋

*5:TRB=リバウンド数、Team TRB=自チームのリバウンド数、Opp TRB=相手チームのリバウンド数

*6:TRB=リバウンド数、MP=出場時間

*7:出場時間はそれぞれ29min、B31min

*8:ここで紹介するスタッツは2020年7月時点でのhttps://www.basketball-reference.comより抜粋

*9:出場試合数等の最低基準に満たない選手は含まない