ルカ・ドンチッチ、ニコラ・ヨキッチなど、2019-20シーズンも多くの選手がトリプルダブルを達成しています。
それでも近年のNBAで「トリプルダブル」といえばやはりラッセル・ウエストブルックでしょう。
ウエストブルックはこの4〜5年で数々のトリプルダブルを量産してきましたが、中には20得点20アシストのトリプルダブルという偉業も成し遂げています。
あのレブロン・ジェームズやジェイソン・キッドでも成し遂げていない20PTS-20ASTでのトリプルダブル。
今回はこの20PTS-20ASTのトリプルダブルについて、歴代の達成者とともに紹介していきたいと思います。
押さえておきたいポイント
"20PTS-20ASTのトリプルダブル"を理解するために押さえておきたいポイントはざっくりとこんな感じです。
- トリプルダブルって?
- 20PTS-20ASTのトリプルダブルは難しい?
- 過去には誰が達成した?
ではこれらの疑問をしっかりと解決できるように、"20PTS-20ASTのトリプルダブル"について紹介していきます。
20PTS-20ASTのトリプルダブル
まずは20PTS-20ASTのトリプルダブルについて基本的な概要を紹介しておきます。
「トリプルダブルとは何か」「20PTS-20ASTのトリプルダブルがどれくらい難しい記録なのか」というポイントに注目してみていきましょう。
トリプルダブルとは
そもそもトリプルダブルとはその名の通り、3つの部門で二桁の成績を収めたことを意味します。
具体的に言うと得点、アシスト、リバウンド、スティール、ブロックのいずれかの内、3つの部門で10以上の数字を記録するということです。
トリプルダブルという用語の意味は分かりました。
では20PTS-20ASTのトリプルダブルはどれくらい難しい記録なんでしょうか。
そのあたりについても考えてみましょう。
20PTS-20AST
まず大前提としてトリプルダブルという記録自体が、NBAキャリアの内に一度でも達成できれば御の字という程の素晴らしい成績です。
とはいえ2019-20シーズンを見ていても分かる通り、トッププレーヤーはトリプルダブルを難なく達成します。
実際2019-20シーズンには、27人が計94回のトリプルダブルを記録しました。*1
ただこれが20PTS-20ASTのトリプルダブルとなると話は別です。
2019-20シーズンに20PTS超えのトリプルダブルは計74回記録されていますが、その中で20ASTを超えているものは一つもありません。
そもそもトリプルダブルに限らず、このシーズン20PTS-20ASTを達成した選手が一人もいないんです。
過去10年を振り返ってみても、20PTS-20AST自体を達成したのがたった5人。*2
そんな20PTS-20ASTと同時にもう一部門で二桁の数字を達成するわけですから、いくらNBAのスター選手といえどもこれは至難の技といえそうです。
その証拠にNBAの長い歴史の中でも、20PTS-20ASTでのトリプルダブルを達成した選手はたった7人だけしかいません。
次は歴代の達成者について見ていきましょう。
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- トリプルダブルとは、3部門で二桁の数字を達成する
- PTS、AST、REB、STL、BLKのいずれか3部門で10以上
- 20PTS-20ASTでのトリプルダブルは過去に7人だけ達成
歴代の達成者
ではここから歴代の達成者を紹介していきます。
達成した回数や試合のスタッツなども合わせて見ていきましょう。*3 *4
Oscar Robertson
- 20PTS-20ASTのトリプルダブルを通算3回達成
- 1961/10/29:26 PTS 22 AST 11 REB
- 1961/12/11:32 PTS 20 AST 15 REB
- 1964/02/14:29 PTS 21 AST 11 REB
NBAで初めて20PTS-20ASTのトリプルダブルを達成したのは、やはりあのオスカー・ロバートソンでした。
ロバートソンはご存知の通り、歴代最多181回のトリプルダブルを誇るレジェンド。
Guy Rodgers
- 20PTS-20ASTのトリプルダブルを通算1回達成
- 1966/10/18:22 PTS 20 AST 10 REB
ロバートソンと同時期に活躍した殿堂入りレジェンドのガイ・ロジャースも20PTS-20ASTのトリプルダブルを達成しています。
1966年は8年間在籍したウォーリアーズからシカゴブルズに移籍したシーズンです。
ロジャースはこの年、ロバートソンやチェンバレンを抑えて2度目のアシスト王に輝きました。
Wilt Chamberlain
- 20PTS-20ASTのトリプルダブルを通算1回達成
- 1968/02/02:22 PTS 21 AST 25 REB
史上最強のセンターウィルト・チェンバレンも20PTS-20ASTのトリプルダブルを記録した選手です。
20PTS-20ASTのトリプルダブルを達成した選手の中で、センターポジションなのはチェンバレンただ一人。
記録が残っている限りでは、この21ASTがキャリアハイのアシスト数ですね。
またチェンバレンは、NBAで"30-30"を達成した数少ないNBAプレーヤーだということも見逃せません。
Magic Johnson
- 20PTS-20ASTのトリプルダブルを通算3回達成
- 1983/01/05:23 PTS 20 AST 12 REB
- 1984/12/18:25 PTS 20 AST 14 REB
- 1988/11/28:32 PTS 20 AST 11 REB
チェンバレンの達成から15年後の1983年、マジック・ジョンソンによって20PTS-20ASTのトリプルダブルが記録されました。
マジックといえばロバートソン、ウエストブルックに次ぐ歴代3位のトリプルダブル達成回数を誇るオールラウンドプレーヤー。
1988年に記録した32得点は、今回の達成者の中でロバートソンと並びトップの数字です。
Isiah Thomas
- 20PTS-20ASTのトリプルダブルを通算1回達成
- 1985/02/07:25 PTS 24 AST 10 REB
マジックやラリー・バードとともに80年代のNBA人気を牽引したレジェンドアイザイア・トーマスも20PTS-20ASTのトリプルダブル達成者です。
キャリア通算で7回しかトリプルダブルを記録していないトーマスですが、しっかりとこのメンバーの中に名を連ねています。
この年は自身2度目のアシスト王に輝き、4シーズン連続のオールスターにも選出されました。
Rod Strickland
- 20PTS-20ASTのトリプルダブルを通算1回達成
- 1998/02/10:21 PTS 20 AST 12 REB
90年代にスパーズやブレイザーズなどで活躍したロッド・ストリックランドも20PTS-20ASTのトリプルダブルを達成しています。
彼はカイリー・アービングのゴッドファーザーとしても知られていますね。
この年ストリックランドはキャリアハイの1試合平均10.7アシストを記録し、自身初のアシスト王に輝きました。
Russell Westbrook
- 20PTS-20ASTのトリプルダブルを通算3回達成
- 2016/12/17:26 PTS 22 AST 11 REB
- 2019/01/10:24 PTS 24 AST 13 REB
- 2019/04/02:20 PTS 21 AST 20 REB
ストリックランドの記録から約20年後、ラッセル・ウエストブルックによって再び20PTS-20ASTのトリプルダブルがNBAに戻ってきました。
最初の達成は2015-16シーズンですので、シーズン平均トリプルダブルを記録した年ですね。
ウエストブルックはこれまでに20PTS-20ASTのトリプルダブルを3回達成していて、ロバートソン、マジックと並び歴代トップの回数です。
さらに2019年4月には過去にチェンバレンだけしか成し遂げていない"20-20-20"にも到達しています。
2019-20シーズンも既に20得点超えのトリプルダブルを5回記録しているウエストブルックですので、また新たな大記録を打ち立てる日もそう遠くはないでしょう。
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まとめ
今回は20PTS-20ASTのトリプルダブルについて紹介しました。
最近では2020年8月のシーディングゲームにおいて、ルカ・ドンチッチが36得点19アシスト14リバウンドというあと一歩の記録も残しています。
次世代のスター選手も躍進を続けるNBA。
8人目の達成者はいったい誰になるのか、非常に楽しみです。
最後に
こちらの記事でもNBAの珍しいスタッツについて紹介していますので、合わせてご覧ください。
「まとめ」カテゴリーでは他にもNBAに関してまとめた記事を投稿していますので是非覗いてみてください。
→「まとめ」カテゴリーの記事一覧
*1:2020年7月時点
*2:Russell Westbrook、Chris Paul、Reggie Jackson、Brandon Jennings、Steve Nash
*3:ここで紹介するスタッツは2020年7月時点のhttps://www.basketball-reference.com/より抜粋
*4:PTS=「得点」、AST=「アシスト」、REB=「リバウンド」