以前このブログでは50-40-90を達成したNBA選手を紹介しました。
これまでにNBAで数人しか達成していない大記録でしたが、実はNCAAでも50-40-90を達成した選手がいるんです。
ということで今回はNCAAで50-40-90を達成した選手たちをまとめて紹介したいと思います。
押さえておきたいポイント
"NCAAで50-40-90を達成した選手"を理解するために押さえておきたいポイントはざっくりとこんな感じです。
- 50-40-90って?
- どれくらい難しい?
- NCAAでは誰が達成した?
- それはどんな選手?
ではこれらの疑問をしっかりと解決できるように、"NCAAで50-40-90を達成した選手たち"について紹介していきます。
50-40-90
まずは50-40-90について改めて確認しておきましょう。
ここでは記録の概要と、その難しさについてざっくり解説していきます。
50-40-90とは
50-40-90とは文字通り、シーズン通してのシュート確率が「フィールドゴール50%」「3Pシュート40%」「フリースロー90%」を全て達成したことを意味します。
要するにシーズン中あらゆるシュートを高確率で決めたというわけです。
またNCAAの場合この50-40-90を達成する為には、シーズン中に最低25試合出場、平均25分以上出場、平均10ポイント以上獲得という条件を全て満たしていないといけません。
これらの条件を達成して初めて、50-40-90の称号を得ることができるというわけです。
どれくらい難しい?
ではそもそもこの50-40-90という記録はどれくらい難しいものなのでしょうか。
少しそのあたりについて考えてみましょう。
一般的にインサイドプレーヤーはゴール下のシュートやダンクでの得点が多く、「フィールドゴール50%」の達成はそれほど難しいものではありません。
しかし「フィールドゴール50%」達成できたとしても、それと同時に「3Pシュート40%」や「フリースロー90%」も達成するとなると話は別です。
2020-21シーズンのNCAAディビジョン1においてフィールドゴール50%を超えているフォワード・センターの選手は100名以上いますが、その中にフリースロー確率が90%を超えている選手は一人もいません。*1
逆に「3Pシュート40%」や「フリースロー90%」を達成できるようなガードの選手は、アウトサイドからのシュートも多いので「フィールドゴール50%」が難しくなる。
つまり50-40-90とは様々な局面・スポットにおいて高確率にシュートを決め続けることが必要で、そんな至難の技を成し遂げた数少ない選手にのみ許された特別な称号なんです。
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50-40-90の達成者
では実際にNCAAディビジョン1で50-40-90を達成した選手を見ていきましょう。
ここではhttps://www.sports-reference.com/cbb/のデータを元にしていますので、記録が集計され始めた1992-93シーズン以降の達成者を紹介していきます。
Josh Grant

- 所属大学:Utah
- シーズン:1992-93
- スタッツ:53.0 - 44.0 - 92.0
1992年以降のNCAAディビジョン1において、初めて50-40-90を達成したのはユタ大学のジョシュ・グラントです。
グラントはシーズン平均17.3得点10.7リバンドというダブルダブルの成績をマークし、チームをカンファレンスチャンピオンに導きました。
このシーズン終了後にはNBAドラフトにエントリーし、全体43位指名でデンバーナゲッツから指名を受けます。
その後は海外に拠点を移し、スペインやフランスなど各国のリーグで2003年までプレーを続けました。
Salim Stoudamire
- 所属大学:Arizona
- シーズン:2004-05
- スタッツ:50.4 - 50.4 - 91.0
ジョシュ・グラントの50-40-90達成から10年以上経った2004-05シーズン、サリム・スタウダマイアーによって再びこの大記録が達成されます。
チームトップの平均18.4得点でアリゾナ大学のカンファレンス制覇に大きく貢献したスタウダマイヤー。
なんとこのシーズンの3Pシュート成功率は驚異の50.4%。
もちろん2004-05シーズンのNCAA全体ではトップの確率で、大学通算で残した3Pシュート成功率45.8%という記録もNCAA歴代7位の数字となっています。
Jaycee Carroll

- 所属大学:Utah State
- シーズン:2007-08
- スタッツ:52.6 - 49.8 - 91.9
ユタ州立大のジェイシー・キャロルもNCAAで50-40-90を達成しています。
キャロルは前年から2年連続でカンファレンストップの平均得点を獲得し、フリースロー成功率も2年連続でカンファレンス1位の数字をマークしました。
3Pシュート成功率は大学通算でなんと46.5%。
これはWAC歴代1位、NCAAでも歴代2位という成績です。
Luke Babbitt
- 所属大学:Nevada
- シーズン:2009-10
- スタッツ:50.0 - 41.6 - 91.7
2009-10シーズンのネバダ大学で50-40-90を達成したルーク・バビット。
彼はこのシーズンのカンファレンスMVPにも輝いています。
シーズン終了後にはNBAドラフト、トレードを経てポートランドトレイルブレイザーズに入団。
その後ロシアのチームなどでもプレーしたバビットですが、最終的には2009年までNBAに在籍することとなりました。
Levi Knutson
- 所属大学:Colorado
- シーズン:2010-11
- スタッツ:50.6 - 47.4 - 90.4
コロラド大のリーバイ・ナットソンも50-40-90を達成した選手の一人です。
この年素晴らしいシュート成功率でキャリアハイとなるシーズン平均11.7得点を獲得。
チームはカンファレンス第5位という成績でシーズンを終えましたが、ナットソン自身はカンファレンスのシックスマン賞を受賞しています。
Isaiah Williams

- 所属大学:Iona
- シーズン:2013-14
- スタッツ:53.4 - 42.7 - 90.0
アイオナ大学のアイザイア・ウィリアムズは、2013-14シーズンに50-40-90を達成しています。
この年FG53.3%、3P42.7%、FT90.0%という記録をマークしたウィリアムズ。
TS%はカンファレンストップとなる68.3にまで到達しました。
ウィリアムズはその後スイスやベルギーのチームでプレーしています。
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Matt Kennedy
- 所属大学:Charleston Southern
- シーズン:2013-14
- スタッツ:51.1 - 50.0 - 90.8
アイザイア・ウィリアムズと同じ2013-14シーズンには、マット・ケネディーも50-40-90を達成しています。
同一シーズンに複数の50-40-90達成者が出た数少ないシーズンの一つです。
このシーズンのケネディーは昨年の平均1.6得点から大幅に飛躍し、キャリアハイとなる平均12.5得点を獲得。
チャールストンサザン大学はこの年カンファレンス第5位に終わりましたが、ケネディーはカンファレンストップのTS%をマークしました。
Miles Bowman
- 所属大学:High Point
- シーズン:2016-17
- スタッツ:51.1 - 49.3 - 90.1
ハイポイント大学のマイルズ・ボウマンは2016-17シーズンに50-40-90を達成しています。
ボウマンはこの年チームトップの平均14.1得点8.2リバウンドを記録。
さらにフリースロー成功率は前年に引き続き2年連続で90%超えを果たしています。
このフリースロー成功率90.1%は、2016-17シーズンのビッグサウスカンファレンスでナンバーワンの成績です。
Cassius Winston

- 所属大学:Michigan State
- シーズン:2017-18
- スタッツ:50.7 - 49.7 - 90.0
ミシガン州立大学で活躍したカシアス・ウィンストンも50-40-90達成者の一人です。
ウィンストンといえば2019年から2年連続でオールアメリカンチームやカンファレンスのファーストチームに選出されたミシガン州立大のスター選手。
ただ50-40-90を記録したのは、それらを獲得する前年の2017-18シーズンのことでした。
大学卒業後はドラフト2巡目全体53位指名でNBA入りし、2020-21シーズンは八村選手と同じワシントンウィザーズに所属しています。
David Cohn
- 所属大学:William & Mary
- シーズン:2017-18
- スタッツ:52.9 - 42.6 - 91.2
ウィンストンが達成したこの2017-18シーズンには、ウィリアム&メアリー大学のデビッド・コーンも50-40-90を記録しました。
この年のウィリアム&メアリー大学は、平均2桁得点を獲得する選手が5人もいる攻撃力の高いチーム。
その中でもコーンは平均14.2得点6.7アシストとチームに大きく貢献します。
ちなみにこの平均6.7アシストという数字はカンファレンストップの成績です。
Hyunjung Lee
- 所属大学:Davidson
- シーズン:2020-21
- スタッツ:50.8 - 44.2 - 90.0
2020-21シーズン、また新たな選手が50-40-90の大記録を達成しました。
今回達成したのは、デイビッドソン大学に所属する韓国出身のイ・ヒョンジュンです。
このシーズンは2年生ながらチーム2位となる平均13.5得点をマーク。
ちなみにオフェンスレーティングはカンファレンストップの128.6にまで到達しています。
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最後に
「特集記事」というカテゴリーではNBAの様々なトピックについて投稿していますので是非覗いてみてください。
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(参考)
https://wwwcache.ncaa.com/news/basketball-men/article/2020-11-18/every-member-di-mens-basketballs-50-40-90-club-1993
https://www.sports-reference.com/cbb/
*1:先述の出場試合数などの条件も満たしていることを条件とした場合