NBAチームは82試合というレギュラーシーズンを戦い抜きます。
そんな長いシーズンの折り返し地点とも言えるのがNBAオールスターゲームです。
NBAのスター選手たちが共演するこの人気イベントは、以前に比べて微妙に内容が変わっている部分も。
改めて調べてみると「意外に知らないことが多い」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ということで今回は、意外と詳しく知らないNBAオールスターゲームについて解説していきたいと思います。
「用語で解るNBA」とは
このブログは知識0からNBAが解るということをテーマにしています。
「用語で解るNBA」では単に用語の意味を知るだけでなく、その用語を通じてNBAを理解していくことが目的です。
この記事では"NBAオールスターゲーム"という用語を詳細にではなくざっくり解説します。
その中でもテーマや図解を交えることで納得してNBAを理解できるようになっています。
押さえておきたいポイント
"NBAオールスターゲーム"を理解するために押さえておきたいポイントはざっくりとこんな感じです。
- オールスターゲームって何?
- いつ開催されているの?
- オールスターはそもそもいつからある?
- これまでにどんな変更があった?
- メンバーはどうやって選出される?
- オールスターのドラフトってなに?
ではこれらの疑問をしっかりと解決できるように、"NBAオールスターゲーム"について説明していきます。
NBAオールスターゲーム
まずはNBAオールスターゲームの概要についてざっくりと確認しておきましょう。
ここでは「オールスターウィークエンド」や「オールスターゲームの特徴」といったポイントに注目して紹介していきます。
オールスターウィークエンド
オールスターウィークエンドとは毎年2月中旬に設けられているイベント期間のことです。
NBAオールスターゲームを中心に、コート内外で様々なイベントが開催されます。
このオールスターウィークエンドの周辺はオールスターブレイクとも呼ばれる休暇期間になっていますので通常の試合などはお休み。
オールスターに参加しない選手やコーチ達は、旅行で家族と過ごしたり思い思いの休日を過ごします。
NBAオールスターゲームとは
オールスターゲームは3日間に渡るオールスターウィークエンドの最終日に行われるメインイベントで、リーグを代表する選手たちによるエキシビジョンゲームです。
事前に選出されたオールスター選手たちによる夢の共演は、普段の試合とは違ってかなりエンターテインメント性の高いものになります。

ではそんなオールスターゲームの特徴についてもう少し見てみましょう。
オールスターゲームの特徴
オールスターゲームは良くも悪くもハイスコアなゲームになる傾向にあり、その傾向は近年特に顕著になっています。
その年のレギュラーシーズン平均合計得点と比較すると一目瞭然です。
というのもオールスターゲームといえばアリウープやロングシュートといった派手なプレーの応酬が醍醐味。
さらに怪我の防止という観点からも最終クォーターの競り合った場面以外はあまり激しいディフェンスにはいきません。
ですのでこれまで何かと「オールスターゲームが緩くなった」「もっとガチな試合が見たい」といった意見が出てきました。
NBAはこの「エンターテインメントと真剣勝負」という難しいバランスを取るために様々な変化を続けています。
次はそんな70年間の試行錯誤の歴史からNBAオールスターゲームを紐解いていきましょう。
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- オールスターウィークエンドは毎年2月中旬に開催
- 期間周辺はオールスターブレイクで試合も休み
- オールスターゲームは最終日3日目のメインイベント
- エンターテインメント性の高いハイスコアゲームになる傾向がある
歴史
前述の通りNBAオールスターゲームはこれまでの歴史の中で様々な変化を続けてきました。
現在のオールスターゲームをもっと理解するためにも、ここでは「オールスターゲームのはじまり」「これまでの戦績」といったポイントを押さえつつ「変更されてきた点」を解説していきます。
オールススターゲームのはじまり
NBAオールスターゲームのはじまりは1951年まで遡ります。
その当時NBAの広報ディレクターに就任したハスケル・コーエンによってNBAオールスターは考案されました。
スキャンダルなど色々あって人気が低迷していたNBAに新たなファンを呼び込もうというのが狙いです。
NBA代表モーリス・ポドロフや各チームのオーナーはオールスター開催に難色を示しましたが、セルティックスの創設者ウォルター・ブラウンが「費用も損失分も俺が出してやる」と支援したことによって1951年に初開催されることになります。
大方の予想に反して第1回NBAオールスターは大きな注目を集め、当時の1試合あたりの平均観客動員数の3倍以上が参加する大成功を納めました。
その後もNBAオールスターは時代やファンのニーズに合わせて形を変えながら、現在まで毎年恒例の人気イベントとして続いていくことになります。
これまでの戦績
NBAオールスターゲームは第一回の1951年から2017年までウエストvsイーストというフォーマットで試合を行ってきました。
細かい試合結果や勝敗などはこちらの公式サイトで確認していただくとして、ここでは年代毎の戦績を紹介しておきたいと思います。
ご覧のように1990年代まではイースタンカンファレンス、2000年以降はウエスタンカンファレンスといったように、時代によって東西の勢力差が表れています。
こういった東西対決の課題・限界も一つの要因となって、その後のドラフト制度導入に繋がっていくわけです。
変更されてきた点
ここからは実際にオールスターゲームの歴史の中で変更されてきた主なポイントを、それぞれの背景とともに見ていきましょう。
ロスター数
- 1951年: 10人
- 2019年: 13人
オールスターチームのロスター数は10人から始まって、これまで基本的に10〜14人の間で推移しています。
ちなみにファン投票が行われる1975年以前は、各チームから少なくとも1人(最大で3人)が選出されるという決まりでした。
スターターのポジション
- 〜2012年: ガード2・フォワード2・センター1
- 2013年〜: ガード2・フロントコート3
オールスターゲームのスターターは2012年までファン投票によってガード2人・フォワード2人・センター1人というポジションで選出されていました。
しかし2010年代に入ると次第にセンターポジションでビッグマンを起用するとは限らない時代になり、2013年からはガード2人・フロントコート3人という広い括りで選出する事になりました。
選出方法
- 〜1974年:スポーツライター・キャスターがスターター、オールスターチームコーチが残りロスター選出
- 1975年〜:ファン投票でスターター、オールスターチームコーチがリザーブメンバー選出
- 2017年〜:ファン・現役選手・メディア投票でスターター、NBA全30チームのヘッドコーチ投票でリザーブメンバーを選出
オールスター選手は「スターター5人」と「リザーブメンバー」によって選出方法が異なります。
ここでは大きく変化してきたスターターの選出方法について注目してみましょう。
1974年まではスターターをスポーツキャスターやメディアによる選出で決定していました。
1975年からファン投票によってスターターの選出が行われるようになり、ファン獲得が目的で始まったNBAオールスターはさらに注目されるようになっていきます。
このファン投票による選出は長らく続いてきましたが、2017年からはファン投票だけでなく現役プレーヤーとメディアによる投票も加えられる事になりした。
この背景には「ケガでほとんどプレーしていない人気選手が選出される」など人気投票的な側面が強くなりすぎているという問題があったと言われています。
選手にとってオールスターに選出されるかどうかは涙を流すほど重要な事ですから、選手側の声も反映されるように変更が加えられたというわけです。
とはいってもそれぞれの投票はファン投票50%・現役プレーヤー投票25%・メディア投票25%の比率で反映されるようになっており、現在でもファン投票が大きなポイントにはなるのは間違いありません。
チームの分け方
オールスターゲームは様々な変化の連続によって今日まで続いてきましたが、2018年から始まったドラフトはその歴史の中で最も大きな変革の一つだと言えるでしょう。
2017年まではずっと東西カンファレンスに所属する選手がチームを組んで対戦してきましたが、2018年からはキャプテンによるドラフトでチームを決めることになったんです。
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現在の選出プロセス
オールスターの選出方法はこれまでに様々な変更がありました。
ここでは改めて「投票」「集計」「ドラフト」「今後の改善点」に注目しながら、現在の選出プロセスについて解説しておきたいよ思います。
投票
2019年のオールスターファン投票は12/25〜1/21に行われました。
ファンは1日に1回投票する事が可能で、その際には各カンファレンスのガード2人・フロントコート3人まで選ぶことができます。
ファンはGoogle、Googleアシスタント、NBAホームページ、NBA公式アプリから投票する方式。
現役プレーヤーとメディアは一度だけ投票する事ができ、現役プレーヤーは「自分とチームメイト」であれば両方に投票できるようです。
集計
ファン・現役プレーヤー・メディアによる投票が終わると、それぞれの部門でランキングが決定します。
投票結果はそれぞれファン投票50%・現役プレーヤー投票25%・メディア投票25%の比率で反映されることになっており、以下の計算式による最終的なスコアでランキング上位がオールスターのスターターに選出されます。*1
(「ファン投票順位」×2 +「現役プレーヤー投票順位」+「メディア投票順位」)÷4
先述の通りリーザブメンバーはリーグ全30チームのヘッドコーチによる投票で選出されます。
またスターターとリザーブメンバーとは別にNBAコミッショナーはロスターに選手を追加する権限を持っていて、2019年にはダーク・ノヴィツキーとドウェイン・ウェイドを特別枠としてオールスターメンバーに追加しました。
ドラフト
先ほどのランキングで両カンファレンスのトップとなった選手がキャプテンに就任し、スターターとリザーブそれぞれをドラフトしてチームを決めます。
2019年の場合は、レブロン・ジェームスとヤニス・アデトクンボがキャプテンを務めました。*2

ドラフトの模様を放送したり、オールスターゲームの賞金をチャリティー団体に寄付することで試合にドラマや競争性を持たせています。
これがエンターテインメントと真剣勝負とのバランスというわけです。
今後の改善点
ここまで選出プロセスを一通り見てきましたが、今後も様々な形で変化していくことがあるでしょう。
すでに現地メディアやSNSなどでは様々な意見が出ていますので、その中から一部を紹介しておきたいと思います。
・カンファレンスの区分無く投票
すでにチーム決めの際にはカンファレンスの区分に関係なくドラフトが行われますが、「もう投票の際にも同様に区分を無くしていいのではないか」と一部で言われています。
・ロスター数の増加
1961年にロスター数は12人に変更されましたがそれ以降は基本的に12人ほどです。
リーグのチーム数も増えていますので、特別枠など何らかの形でロスター数を増やしていいのではないかという意見が出ています。
・集計比率の調整
2019年のファン投票では、新人王ルカ・ドンチッチと、怪我からのカムバックを果たしたデリック・ローズがそれぞれのポジションで2位を獲得しました。
しかし最終的には両者ともにオールスターには選出されていません。
あくまで規定通り現役プレーヤー・メディア投票も加味した公平な結果ですが、投票したファンからすると納得できない部分があったのも事実です。
今後もまた何らかの変更があるのかもしれません。
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- ファン・現役選手・メディア投票でスターターを選出
- 各チームのヘッドコーチによる投票でリザーブを選出
- ファン投票は50%の比率で最終スコアに反映
- 各カンファレンスのトップがキャプテンに就任
- キャプテンによるドラフトでチームメンバーを決定する
- 選出には今後もまだまだ改善の余地がある
まとめ
今回は"オールスターゲーム"について解説しました。かなり駆け足で解説しましたが理解できましたでしょうか?
おそらくこの先もどんどんアップデートされていくと思いますので、オールスターは今後も目が離せませんね。
それで改めて今回解説した内容をおさらいしておきましょう。
- オールスターウィークエンドは毎年2月中旬に開催
- オールスターゲームは最終日3日目のメインイベント
- 選出方法やチームの分け方などが変更されてきた
- ファン・現役選手・メディア投票でスターターを選出
- 各カンファレンスのトップがキャプテンに就任
- キャプテンによるドラフトでチームメンバーを決定する
- 選出には今後もまだまだ改善の余地がある
最後に
「用語で解るNBA」というカテゴリーではオールスター関連以外にもNBAの解説を投稿していますので是非覗いてみてください。