日本人アスリートが世界で活躍する中、彼らの成長と成功を支える存在として注目されるのがスポーツエージェント会社です。
その中でも、ワッサーマン(Wasserman Media Group)は、世界的なエージェント会社として多くのトップアスリートから信頼を集めています。
ということで今回の記事では、ワッサーマンについて解説したいと思います。
ワッサーマンが持つ強み、その背景、契約を結んだ日本人選手たちとの関係になど、詳しく見ていきましょう。
押さえておきたいポイント
"ワッサーマン"を理解するために、押さえておきたいポイントはざっくりとこんな感じです。
- ワッサーマンって何?
- なぜ世界的に有名なの?
- どんなアスリートと契約しているの?
- 契約した日本人バスケ選手は?
では、これらの疑問をしっかりと解決できるように、"ワッサーマン"について紹介していきます。
ワッサーマンについて
まずは、ワッサーマンについて見ておきましょう。
企業の特徴や、ワッサーマンが選ばれる理由などをまとめました。
世界的なエージェント会社

ワッサーマン(Wasserman Media Group)は、世界中のトップアスリートやエンターテイナーを支えるエージェント会社として、業界で広く知られています。
2002年に創業したワッサーマンは、創業者であるケイシー・ワッサーマン氏のビジョンのもと、スポーツとエンターテインメントを融合させた包括的なサポートを提供する企業として急成長を遂げました。
Sports, Music & Entertainment | Wasserman
ワッサーマンは、NBA、MLB、サッカー、ゴルフなど、幅広い競技におけるアスリートのキャリアを支える存在として評価されている会社です。
今日、ワッサーマンは、スポーツ業界において最も信頼されるエージェント会社の一つとして、選手たちの未来を切り開くパートナーとなっています。
その成功は、確固たる実績と先進的な戦略によるものといえるでしょう。
ワッサーマンが選ばれる理由
多くのトップアスリートがワッサーマンを選ぶ理由は、主に以下の3つに集約されます。
- 契約条件の良さ
- 卓越したサポート体制
- グローバルなネットワーク
ワッサーマンが持つ強みの一つが、契約条件の良さです。
チームとの契約交渉では、報酬の年俸の4~5%程度を手数料に設定している言われており、業界標準内で適正な水準を維持しながら、選手の利益を最大化することに注力しています。
さらに、スポンサー契約においては、報酬の20%前後を手数料としながらも、選手のブランディングや市場価値を高める契約を実現。
これにより、選手のキャリア全体の収益を最大化しています。
また、ワッサーマンのもう一つの強みは、コート内外で選手を支える献身的なサポート体制です。
選手だけでなく、その家族にも寄り添い、生活に関わるあらゆる問題を迅速に解決する姿勢によって、選手たちから絶大な信頼を得てきました。
例えば、異国の地での生活において、良いベビーシッターの紹介や日常的なトラブルへの対応など、きめ細かいサポートを行うことで、選手が競技に集中できる環境を提供しています。
連絡があればすぐに駆けつける対応力や、選手のニーズを的確に理解する能力は、ワッサーマンが「面倒見が良い」と評される所以でしょう。
さらに、ワッサーマンはグローバルなネットワークを活用し、選手のブランド価値を最大限に引き出すマーケティング戦略にも長けています。
個々の選手に合わせたプロモーションプランを作成し、スポンサーシップやメディア露出を効果的に活用することで、選手の競技外での影響力も高めているのです。
こうした包括的な支援は、競技人生を超えた長期的なキャリア形成にも大きく寄与します。
選手にとって、競技での成功はもちろん、その周囲のサポート体制も非常に重要です。
ワッサーマンは、この両方を兼ね備えた存在として、多くのアスリートにとって欠かせないパートナーとなっています。
代表的なクライアント
ワッサーマンは、数多くの世界的なアスリートをクライアントに抱えることで知られています。
以主な選手をスポーツ別にまとめました。
NBAではシェイ・ギルジャス=アレクサンダーやクレイ・トンプソン、MLBではMLBではダルビッシュ有や山本由伸といったスター選手が名を連ねています。
また上記以外に、サッカーやゴルフなど、さまざまな競技でトップ選手をサポートしている点も特徴的です。
特に近年では、海外挑戦する日本人バスケットボール選手との契約が増えており、NBAで活躍する日本人選手を支える存在として注目を集めています。
次章では、日本人バスケ選手との具体的な契約例に焦点を当て、彼らがどのようにワッサーマンとともにキャリアを築いているのかを詳しく解説します。
ワッサーマンと契約した日本人バスケ選手
ここでは、ワッサーマンと契約した日本人バスケ選手を見ていきましょう。
各選手との契約や関係性についてまとめました。
渡邊雄太

渡邊雄太選手は、2018年にジョージワシントン大学を卒業後、NBAデビューを目指してワッサーマンと契約しています。
代理人を務めたジョー・スミス氏の指導のもと、渡邊選手は自らのスキルを最大限にアピールし、NBAでのキャリアをスタートさせる足掛かりを得ました。
渡邊選手自身、「エージェントがどんな有名選手を抱えているかよりも、自分にどれだけ親身になってくれるかを重視した」と語っており、ワッサーマンの選手ファーストの姿勢が契約の決め手となったようです。
ワッサーマンは、NBAスカウトを招待して選手の能力を披露する「プロデー」を開催しており、このイベントが渡邊選手のNBA入りにおいても重要な役割を果たしました。
八村塁

2019年、八村塁選手がNBAドラフトにエントリーを表明した際、彼もまたワッサーマンと契約を結びました。
八村選手はドラフトコンバイン(NBAドラフト前の選手評価イベント)には参加しませんでしたが、ワッサーマンが主催するプロデーを通じて、NBAスカウトたちに自らの実力をしっかりとアピール。
その結果、ドラフト1巡目全体9位という日本人として史上初の快挙を成し遂げたのです。
また、2024年末に八村選手が日本バスケットボール協会に対する批判を公表した際にも、協会との交渉や調整は基本的にワッサーマンを通じて行われています。
河村勇輝

2023年、Bリーグの横浜ビー・コルセアーズに所属していた河村勇輝選手は、海外挑戦に向けた一歩としてワッサーマンと契約を結びました。
この年は、河村選手がチームを初のプレイオフ進出に導き、最優秀新人賞、アシスト王、ベスト5、さらにはMVPの4冠を獲得していた年です。
ワッサーマンとの契約は、河村選手にとって海外進出への大きなステップとなりました。
そしてこの契約の約1年後、河村選手はNBAのメンフィス・グリズリーズと契約を結ぶに至ります。
テーブス海

2024年7月、テーブス海選手がワッサーマンと契約を結びました。
テーブス選手は、アメリカの名門ブリッジトンアカデミー・プレップスクールとノースカロライナ大学ウィルミントン校を経て、Bリーグで活躍している選手です。
ワッサーマンとの契約を結んだことで、テーブス海の今後の海外リーグ挑戦にも期待が寄せられています。
テーブス選手がどのような新たなステージに進むのか、注目しましょう。



