このブログでは以前、2021年に最も年俸がアップした選手をランキングで紹介しました。
そこでは「年俸のアップした額」でランキングを作成しましたが、今回は「年俸のアップした割合」に注目してみたいと思います。
ということで今回は、2021年に年俸アップ率が最も高かった選手たちをランキングで見ていきましょう。
押さえておきたいポイント
"2021-22シーズンの年俸アップ率が高い選手"を理解するために押さえておきたいポイントはざっくりとこんな感じです。
- 選手の年俸はどうやって上がる?
- 今季最も年俸アップ率が高いのは?
- その選手の契約内容は?
ではこれらの疑問をしっかりと解決できるように、"2021-22シーズンの年俸アップ率が高い選手"について紹介していきます。
NBA選手の年俸アップ
まずはNBA選手の年俸がどのようにアップするのかを改めて確認しておきましょう。
ここでは選手の年俸がアップをする2つのパターンを紹介します。
契約内での昇給
1つ目は契約内の昇給によって年俸がアップするパターンです。
NBAでは選手がチームと契約を結ぶ際、サラリーの昇給率も定めます。
契約期間中はこの昇給率に応じて選手の年俸が上昇していくという仕組みです。
例えばブルックリンネッツのカイリー・アービングが結んでいる契約を見てみましょう。
カイリー・アービングのサラリー
ベースサラリー ($) | |
---|---|
2019-20 | 31,742,000 |
2020-21 | 33,329,100 |
2021-22 | 34,916,200 |
2022-23 | 36,503,300 |
全体で4年$136,490,600という大型契約を結んでいるアービングですが、各年で見るとご覧の通りシーズンが進むにつれて約5%ずつ年俸がアップしていることが分かります。
このように複数年契約を結んでいる選手が新シーズンを迎えた場合には、当然その昇給率に従って年俸はアップするわけです。
まずはこの1つ目のパターンを頭に入れておきましょう。
昇給率などに関しては別の記事でも詳しく解説していますので合わせてご覧下さい。
契約更新・新契約
2つ目は契約を延長したり新しい契約を結ぶことで年俸がアップするパターン。
既存の契約期間を終える選手たちは、次のシーズンに向けて契約を延長したり新たな契約を結び直すことになります。
前の契約期間中に良い活躍を見せた選手は、当然それに見合うだけの年俸アップが行われるわけです。
またNBAではリーグ在籍年数などの諸条件によって、契約できるサラリーの上限が設けられています。
そのため少額のサラリーで数年間NBA経験を積んだ選手が新たな契約を結ぶ際には、以前の何倍もの金額に昇ることも。
例えばベン・シモンズの場合を見てみましょう。
ベン・シモンズのサラリー(スクロール可能)
ベースサラリー ($) | |
---|---|
2016-17 | 5,903,160 |
2017-18 | 6,168,840 |
2018-19 | 6,434,520 |
2019-20 | 8,113,929 |
2020-21 | 30,559,200 |
2021-22 | 33,003,936 |
2022-23 | 35,448,672 |
2023-24 | 37,893,408 |
2025-26 | 40,338,144 |
4年間のルーキー契約が2019-2020シーズンに終了し、2020-21シーズンの年俸は前年度と比べて4倍近くにまで上昇しています。
このようにオールスタークラスの選手が契約延長したり新たな契約を結ぶ際には、非常に大きな年俸アップが見込めるわけです。
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今回のランキングに入っている選手の多くが、契約更新や新契約によって年俸が大幅にアップするパターン。
次は実際にランキングでその様子を見ていきましょう。
2021-22 年俸アップ率 TOP10
ここでは2021-22シーズン最も年俸アップの割合が高かった選手たちをランキングで紹介します。
実際の年俸額や現在結んでいる契約の内容なども合わせてご覧下さい。*1 *2
第10位 Derrick White
- 今季年俸アップ率:+ 345.9%
- 2020-21サラリー:$3,516,284
- 2021-22サラリー:$15,678,571
- 現在の契約内容:4年 $70,000,000
サンアントニオスパーズのデリック・ホワイトが年俸アップ率で第10位に輝きました。
2017年のドラフト全体1巡目29位でスパーズに入団したホワイトは、NBA2年目にはチームの中心選手として活躍。
NBAでも十分活躍できるだけの実力を証明し、2020年12月にスパーズと4年$70,000,000の契約延長を結びました。
ちなみにホワイトは2020-21シーズンの年俸アップ額でも第10位にランクインしています。
第9位 Monte Morris
- 今季年俸アップ率:+ 390.2%
- 2020-21サラリー:$1,723,707
- 2021-22サラリー:$8,449,074
- 現在の契約内容:3年 $27,774,997
2way契約でのキャリアスタートながらバックアップガードとして着実に結果を残し、2020年には3年$27,774,997のNBA本契約を掴み取っています。
「ドラフト外選手や2巡目指名選手のお手本になりたい」と語るモリス。
ドラフト2巡目全体51位指名からのサクセスストーリーには今後も注目です。
第8位 Jarrett Allen
- 今季年俸アップ率:+ 411.5%
- 2020-21サラリー:$3,909,902
- 2021-22サラリー:$20,000,000
- 現在の契約内容:5年 $100,000,000
クリーブランドキャバリアーズのジャレット・アレンが年俸アップ率第8位にランクインしました。
キャブス移籍後はキャリアハイの1試合平均13.2得点9.9リバウンドと見事チームに適応したアレン。
多彩な若手ガード選手が揃うキャブスは、将来を担うインサイドプレーヤーとしてアレンと5年$100,000,000の大型契約を結んでいます。
ちなみにアレンは2021-22シーズンの年俸アップ額でも第6位です。
第7位 Donovan Mitchell
- 今季年俸アップ率:+ 440.9%
- 2020-21サラリー:$5,195,501
- 2021-22サラリー:$28,103,500
- 現在の契約内容:5年 $163,000,300
ユタジャズのドノバン・ミッチェルが第7位にランクイン。
オールスターに2年連続で選出され今やエースとしてチームを牽引するミッチェルは、5年$163,000,300の契約を結びました。
2021-22シーズンの年俸は$28,103,500と前年から4倍以上にアップ。
年俸アップ額も$22,907,999で第2位にランクインしています。
第6位 Bam Adebayo
- 今季年俸アップ率:+ 449.4%
- 2020-21サラリー:$5,115,492
- 2021-22サラリー:$28,103,500
- 現在の契約内容:5年 $163,000,300
年俸アップ率第6位はマイアミヒートのバム・アデバヨです。
2021-22シーズンはの年俸は前年比449.4%アップの$28,103,500。
ジョエル・エンビードなど強力なビッグマンがひしめき合うイースタンカンファレンスの中でも、彼の高い身体能力にはそれだけの市場価値があるわけです。
年俸アップ額では見事第1位に輝いたアデバヨでしたが、残念ながら年俸アップ率との2冠は逃しました。
第5位 John Collins
- 今季年俸アップ率:+ 468.0%
- 2020-21サラリー:$4,137,302
- 2021-22サラリー:$23,500,000
- 現在の契約内容:5年 $125,000,000
第5位はアトランタホークスのジョン・コリンズです。
今季年俸が$19,362,698アップしたコリンズは、年俸アップ額のランキングでも第4位にランクインしています。
ちなみにここまで登場した6人の選手たちは皆2017年ドラフト組。
昨シーズンは彼らのルーキー契約最終年でしたので、2021-22シーズンの年俸アップ率とアップ額が非常に大きくなっています。
第4位 Talen Horton-Tucker
- 今季年俸アップ率:+ 525.8%
- 2020-21サラリー:$1,517,981
- 2021-22サラリー:$9,500,000
- 現在の契約内容:3年 $30,780,000
第4位はロサンゼルスレイカーズのテイレン・ホートン・タッカー。このランキングに初めて2017ドラフト組ではない選手が登場です。
1試合平均9.0得点2.6リバウンド2.8アシストの活躍を見せた2020-21シーズン終了後、制限付きFAとなったホートン・タッカーはレイカーズと3年$30,780,000の契約を結びました。
2021-22シーズンの年俸は$9,500,000で前年の5倍以上。
スーパースターが揃う2021−22シーズンのレイカーズでどのような活躍を見せるのか注目です。
第3位 Devonte Graham
- 今季年俸アップ率:+ 561.1%
- 2020-21サラリー:$1,663,861
- 2021-22サラリー:$11,000,000
- 現在の契約内容:4年 $47,300,000
第3位にはニューオーリンズペリカンズのデボンテ・グラハムがランクイン。
2021-22シーズンの開幕前にサイン&トレードでシャーロットホーネッツからペリカンズに移籍する際、グラハムは4年$47,300,000の契約を結んでいます。
前年比+561.1%と年俸は確かに大幅増ですが、彼のこれまでの活躍からしてもっと高額の契約を勝ち取っていてもおかしくなかったと思います。
同時期にペリカンズが放出したロンゾ・ボールは4年$80,000,000の契約でしたので、ペリカンズフロントは将来有望なガード選手をほぼ半額で獲得したと言っても過言ではありません。
第2位 Duncan Robinson
- 今季年俸アップ率:+ 840.6%
- 2020-21サラリー:$1,663,861
- 2021-22サラリー:$15,650,000
- 現在の契約内容:5年 $89,910,000
マイアミヒートのダンカン・ロビンソンが第2位にランクインしました。
今回紹介するTOP10の中で唯一ドラフト外からNBA入りした選手です。
ちなみに彼が今季オフシーズンに結んだ5年$89,910,000という大型契約は、NBAのドラフト外入団選手史上最大の契約となりました。
NBAでの飛躍については別の記事で詳しく紹介していますので、こちらも合わせてご覧下さい。
第1位 Gary Trent Jr
- 今季年俸アップ率:+ 861.6%
- 2020-21サラリー:$1,663,861
- 2021-22サラリー:$16,000,000
- 現在の契約内容:3年 $51,840,000
2021-22シーズンの年俸アップ率第1位に輝いたのは、トロントラプターズのゲイリー・トレントJrです。
2020-21シーズンの途中にラプターズへ移籍したトレントJrは、1試合平均16.2得点3.6リバウンドを記録。
制限付きFAとなった今季オフシーズンにラプターズと3年$51,840,000の契約に合意しています。
2021-22シーズンの年俸は驚異の前年比861.6%アップと、まさにNBAドリームを掴んだ選手と言えるでしょう。
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今回紹介したTOP10以下のランキングもまとめています。
興味がある方はこちらの一覧表もご覧下さい。
2021-22 年俸アップ率(スクロール可能)
選手 | 年俸アップ率 | 2020-21 | 2021-22 | |
---|---|---|---|---|
1 | Gary Trent Jr | 861.6% | $1,663,861 | $16,000,000 |
2 | Duncan Robinson | 840.6% | $1,663,861 | $15,650,000 |
3 | Devonte Graham | 561.1% | $1,663,861 | $11,000,000 |
4 | Talen Horton-Tucker | 525.8% | $1,517,981 | $9,500,000 |
5 | John Collins | 468.0% | $4,137,302 | $23,500,000 |
6 | Bam Adebayo | 449.4% | $5,115,492 | $28,103,500 |
7 | Donovan Mitchell | 440.9% | $5,195,501 | $28,103,500 |
8 | Jarrett Allen | 411.5% | $3,909,902 | $20,000,000 |
9 | Monte Morris | 390.2% | $1,723,707 | $8,449,074 |
10 | Derrick White | 345.9% | $3,516,284 | $15,678,571 |
11 | Reggie Jackson | 345.4% | $2,331,593 | $10,384,500 |
12 | OG Anunoby | 315.0% | $3,872,215 | $16,071,429 |
13 | Kyle Kuzma | 264.9% | $3,562,178 | $13,000,000 |
14 | De'Aaron Fox | 247.0% | $8,099,627 | $28,103,500 |
15 | Josh Hart | 243.7% | $3,491,159 | $12,000,000 |
16 | Cameron Payne | 228.8% | $1,977,011 | $6,500,000 |
17 | Alex Caruso | 212.7% | $2,750,000 | $8,600,000 |
18 | Hamidou Diallo | 212.5% | $1,663,861 | $5,200,000 |
19 | Kendrick Nunn | 200.5% | $1,663,861 | $5,000,000 |
20 | Torrey Craig | 190.6% | $1,678,854 | $4,878,049 |
21 | Bruce Brown | 184.6% | $1,663,861 | $4,736,102 |
22 | Jayson Tatum | 184.0% | $9,897,120 | $28,103,500 |
23 | Terence Davis | 163.5% | $1,517,981 | $4,000,000 |
24 | Furkan Korkmaz | 162.6% | $1,762,796 | $4,629,630 |
25 | David Nwaba | 154.9% | $1,824,003 | $4,650,000 |
26 | Luke Kennard | 141.3% | $5,273,826 | $12,727,273 |
27 | Jonathan Isaac | 136.3% | $7,362,565 | $17,400,000 |
28 | Lauri Markkanen | 133.1% | $6,731,508 | $15,690,909 |
29 | Reggie Bullock | 127.0% | $4,200,000 | $9,536,000 |
30 | TJ McConnell | 114.3% | $3,500,000 | $7,500,000 |
31 | Khem Birch | 110.9% | $3,011,499 | $6,350,000 |
32 | Richaun Holmes | 107.5% | $5,005,350 | $10,384,500 |
33 | Bryn Forbes | 92.5% | $2,337,145 | $4,500,000 |
34 | Doug McDermott | 87.5% | $7,333,333 | $13,750,000 |
35 | Georges Niang | 85.0% | $1,783,557 | $3,300,000 |
36 | Robert Williams | 80.4% | $2,029,920 | $3,661,976 |
37 | Landry Shamet | 80.3% | $2,090,040 | $3,768,342 |
38 | Sterling Brown | 78.7% | $1,678,854 | $3,000,000 |
39 | Nerlens Noel | 76.0% | $5,000,000 | $8,800,000 |
40 | Jeff Green | 75.5% | $2,564,753 | $4,500,000 |
41 | Derrick Rose | 75.0% | $7,682,926 | $13,445,120 |
42 | Anfernee Simons | 74.9% | $2,252,040 | $3,938,818 |
43 | Aaron Holiday | 69.7% | $2,345,640 | $3,980,551 |
44 | Lonzo Ball | 69.1% | $11,003,782 | $18,604,651 |
45 | Daniel Theis | 65.6% | $5,000,000 | $8,280,351 |
46 | Chandler Hutchison | 64.5% | $2,443,440 | $4,019,459 |
47 | Spencer Dinwiddie | 62.8% | $11,454,048 | $18,642,857 |
48 | Grayson Allen | 59.3% | $2,545,320 | $4,054,695 |
49 | Alec Burks | 58.9% | $6,000,000 | $9,536,000 |
50 | Josh Okogie | 54.2% | $2,651,040 | $4,087,904 |
最後に
「特集記事」というカテゴリーではNBAの様々なトピックについて投稿していますので是非覗いてみてください。
(参考)
https://www.spotrac.com/
https://hoopshype.com/salaries/
*1:ここで紹介するランキングや契約内容などはhttps://www.spotrac.com/及びhttps://hoopshype.com/salaries/を元に筆者が独自に集計したもの
*2:ランキングは記事作成時点で2021-22シーズンのサラリーが判明している選手のみ集計