このブログでは以前、NBAで「30-30」を達成した選手たちを紹介しました。
NBAの長い歴史の中でも20人しか達成していない30-30という数字。
調べてみるとそんな30-30に関連する興味深い記録が色々と見つかりましたので、今回はそれらをまとめて紹介しておきたいと思います。
押さえておきたいポイント
"30-30"を理解するために押さえておきたいポイントはざっくりとこんな感じです。
- 30-30って?
- どれくらい難しい記録なの?
- 過去にはどんな30-30があった?
ではこれらの疑問をしっかりと解決できるように、"30-30"について紹介していきます。
30-30
まずは30-30について基本的な概要を紹介しておきます。
「30-30とは何か」「どれくらい難しい記録なのか」というポイントに注目してみていきましょう。
30-30とは
そもそも30-30とは、1試合で「30得点」かつ「30リバウンド」を達成したことを意味します。
1試合で
- 30得点 以上
- 30リバウンド 以上
を同時に達成したということ
非常にシンプルなネーミングで分かりやすい記録ですね。
でも30-30ってことは「30得点」「30アシスト」でもそう呼ぶんじゃないの?
と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、今のところNBAにおいて「30得点」「30アシスト」を達成した選手はいません。*1
なので基本的にNBAで30-30といったら、「30得点」「30リバウンド」を意味しているわけです。
どれくらい難しい?
30-30という言葉の意味は分かりました。
ではこの30-30という記録は、どれくらい達成することが難しいものなのでしょうか。
少し考えてみましょう。
まず「30得点」という数字。
これはオールスタープレーヤーやチームのエースにとって、それほど難しい数字ではありません。
2019-20シーズンだけを見ても、30得点は延べ700回以上も達成されています。
問題は「30リバウンド」の部分。
どれだけ優秀なセンターだとしても、30リバウンドとなると話は別です。
2019-20シーズンに30リバウンドを達成した選手は1人もおらず、最高でもヨナス・バランチュナス選手の記録した25リバウンド。
そもそも直近20年間でも、30リバウンドを達成した選手はたった3人しかいません。*2
この30リバウンドという至難の技をクリアし、なおかつ30得点も記録しないといけないわけですから、30-30がいかに難しいものなのかよく分かりますね。
それ故に、長いNBAの歴史の中でも30-30達成者はたった20人しかいません。
では次はそんな30-30にまつわる様々な記録を見ていきましょう。
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- 30-30とは30得点30リバウンドのこと
- 30リバウンドですら過去20年で3人のみ
- 歴代で20人が30-30を達成している
30-30にまつわる記録
ではここから30-30にまつわる記録を紹介していきます。
NBA史上初の30-30
George Mikan

- Minneapolis Lakers
- 1952/01/20(vs Rochester Royals)
- 61 PTS 36 REB
NBA史上初の30-30は「ミスター・バスケットボール」ことジョージ・マイカンが1952年に達成しました。
マイカンといえばNBA最初のスーパースターとも言われ、ゴールテンディングやショットクロックという新たなルールが作られたほどゴール下で支配力を発揮した選手です。
30-30達成回数 歴代最多
Wilt Chamberlain
- 30-30をキャリア通算136回達成
- Warriors時代に98回
- 76ers時代に35回
- Lakers時代に3回
NBAで30-30を最も多く達成しているのは、史上最強のセンターウィルト・チェンバレンです。
その数なんと通算136回。
2番目に多いビル・ラッセルで7回、3番目のウォルト・ベラミーで4回という数字からも、チェンバレンがどれだけ異次元な存在だったのかが伝わってきます。
最高得点の30-30
Wilt Chamberlain
- Philadelphia Warriors
- 1961/12/08(vs Los Angeles Lakers)
- 78 PTS 43 REB
最高得点の30-30は1961年にウィルト・チェンバレンがマークした78得点43リバウンドという数字です。
歴代30-30の得点ランキングを見てみると、TOP50のうち46がチェンバレンの記録。
ちなみにチェンバレン以外のTOP10には、エルジン・ベイラーの63得点31リバウンドが第5位、ジョージ・マイカンの61得点36リバウンドが第10位に入っています。
最多リバウンドの30-30
Wilt Chamberlain
- Philadelphia Warriors
- 1960/11/24(vs Boston Celtics)
- 34 PTS 55 REB
最多リバウンドの30-30は、1960年にチェンバレンが残した34得点55リバウンドという記録です。
そもそもこの55リバウンドはNBA史上最多リバウンド記録でもあります。
歴代30-30のリバウンド数もTOP12までがチェンバレンというもはや予想通りの結果に。
チェンバレン以外ではビル・ラッセルが30得点40リバウンドで歴代13位、ウォルト・ベラミーが37得点37リバウンドで歴代25位の記録を残しています。
30-30 かつ トリプルダブル
Wilt Chamberlain
- 30-30 かつ トリプルダブルを5回達成
- 1968/03/18 53 PTS 32 REB 14 AST
- 1968/02/23 31 PTS 32 REB 12 AST
- 1967/02/24 42 PTS 30 REB 10 AST
- 1966/12/26 38 PTS 32 REB 10 AST
- 1963/03/03 45 PTS 33 REB 10 AST
NBAで30-30とトリプルダブルを同時に達成しているのは、ウィルト・チェンバレン唯一人。
どちらか一方だけでも極僅かな選手しか達成できないものですので、むしろ達成しているチェンバレンが異常ですね。
おそらくこの先30-30とトリプルダブルを同時に達成する選手は、もう二度と現れないのではないでしょうか。
ルーキーで30-30達成
Wilt Chamberlain

- ルーキーシーズンに30-30を25回達成
- 1959/10/31 36 PTS 34 REB
- 1959/11/04 41 PTS 40 REB など
もちろんウィルト・チェンバレンはルーキーシーズンから30-30を達成しています。
それもNBAデビュー2試合目でいきなり36得点34リバウンド。
その後もルーキーシーズンだけで合計25回の30-30を達成し、その年の新人王、MVP、得点王などあらゆるタイトルを総ナメにしました。
Walt Bellamy
- ルーキーシーズンに30-30を2回達成
- 1962/01/10 35 PTS 30 REB
- 1962/02/04 33 PTS 30 REB
ニューヨークニックスやアトランタホークスなどで活躍したウォルト・ベラミーもルーキーシーズンに30-30を達成した選手の一人です。
先ほど少し触れましたが、ベラミーはNBA歴代3位、4回の30-30を記録しています。
チェンバレンと同じくベラミーもこの年の新人王を受賞しました。
Kareem Abdul-Jabbar
- ルーキーシーズンに30-30を1回達成
- 1970/04/17 33 PTS 31 REB
チェンバレンのデビューから10年後の1969-70シーズン、ミルウォーキーバックスの超大型新人カリーム・アブドゥル・ジャバーもルーキーシーズンに30-30を達成しました。
しかも舞台はプレーオフ、ニューヨークニックスとのカンファレンスファイナル第3戦での出来事です。
チームは惜しくもNBAファイナル進出を逃しましたが、ジャバーは新人王に輝いています。
最年少で30-30を達成した選手
Kevin Love

- 22歳66日で30-30達成
- Minnesota Timberwolves
- 2010/11/12(vs New York Knicks)
- 31 PTS 31 REB
30-30の最年少記録は、ミネソタティンバーウルブス時代のケビン・ラブが記録した22歳と66日です。
NBA3年目のこの年、チームのスターターとして1試合平均15.2リバウンドの活躍を見せたラブは、自身初のオールスター選出、さらにリバウンド王にも輝いています。
ラブが30-30を達成するまでの約50年間は、ウォルト・ベラミーの22歳と170日が最年少記録でした。
最年長で30-30を達成した選手
Wilt Chamberlain
- 35歳120日で30-30を達成
- Los Angeles Lakers
- 1971/12/19(vs Philadelphia 76ers)
- 32 PTS 34 REB
30-30の最年長記録は、ロサンゼルスレイカーズ時代のウィルト・チェンバレンが記録した35歳120日です。
NBAキャリア13年目のこの年、全盛期に比べると得点もリバウンドも大幅に減ってはいるものの2度の30-30を記録し、自身10度目のリバウンド王を獲得しています。
この記録から47年後にドワイト・ハワードが32歳103日と歴代2番目に年長の30-30を達成していますが、未だチェンバレンの記録は破られていません。
プレーオフで30-30達成
Wilt Chamberlain
- プレーオフで30-30を12回達成
- 1960/03/22 50 PTS 35 REB
- 1961/03/14 46 PTS 32 REB
- 1962/03/31 41 PTS 34 REB
- 1966/04/12 46 PTS 34 REB など
- 戦績:7勝5敗
ご想像の通りウィルト・チェンバレンはプレーオフでも30-30を達成していて、その回数なんと歴代最多の12回。
キャリア通算で136回も30-30を記録している選手ですから、当然と言えば当然の数字ですね。
しかしながらプレーオフで30-30を記録したこれらのシーズンではいずれもNBAチャンピオンに到達することは出来ませんでした。
Bill Russell
- プレーオフで30-30を4回達成
- 1961/04/11 30 PTS 38 REB ☆
- 1962/03/28 31 PTS 31 REB
- 1962/03/31 31 PTS 30 REB
- 1962/04/18 30 PTS 40 REB ☆
- 戦績:3勝1敗
チェンバレンと同時期に、ビル・ラッセルもプレーオフでの30-30を達成しています。
そのうち2試合はNBAファイナルで記録したもので、どちらのシーズンでもセルティックスをNBAチャンピオンに導きました。*5
ちなみにNBAファイナルで30-30を達成したのは、これまでの長い歴史の中でもラッセル唯一人のみです。
Willis Reed
- プレーオフで30-30を1回達成
- 1970/04/02 36 PTS 36 REB
- 戦績:1勝0敗
ニューヨークニックスのレジェンドウィリス・リードもプレーオフで30-30を達成した選手の一人です。
ニックスがレイカーズを破って初のNBAチャンピオンに輝いたシーズンですね。
リードはこの年、シーズンMVP、オールスターMVP、ファイナルMVPを独占しています。
Kareem Abdul-Jabbar

- プレーオフで30-30を1回達成
- 1970/04/17 33 PTS 31 REB
- 戦績:1勝0敗
リードと同じシーズンのプレーオフに、カリーム・アブドゥル・ジャバーも30-30を達成しています。
先ほども紹介した通り、これはルーキーシーズンでの記録です。
ジャバーが30-30を達成した試合ではリード率いるニューヨークニックスに何とか勝利しましたが、その後は連敗を喫しNBAファイナル進出を逃しました。
平均30-30に最も近づいた選手
Wilt Chamberlain
- 1959-60シーズン 37.6 PTS 27.0 REB
- 1960-61シーズン 38.4 PTS 27.2 REB
- 1961-62シーズン 50.4 PTS 25.7 REB など
NBAでは現在に至るまで、シーズン平均30得点30リバウンドを達成した選手は一人もいません。
おそらく今後もそんなスタッツを残す選手は出てこないと思いますが、これまでシーズン平均30-30に最も近い記録を残したのはやはりウィルト・チェンバレンでした。
そもそも1試合平均25リバウンド以上を記録したのが過去にチェンバレンだけなので、基本的には実現不可能な数字ということですね。
惜しくも30-30を逃した選手
Bob McAdoo
- Buffalo Braves
- 1976/12/07(vs Indiana Pacers)
- 42 PTS 29 REB
ニューヨークニックスやロサンゼルスレイカーズでプレーした殿堂入りレジェンドボブ・マカドゥーは惜しくもあと一歩のところで30-30を逃しています。
この試合あと1リバウンドとっていれば30-30達成でした。
1リバウンド足りずに30-30を逃した試合を経験している選手は他にもいますが、その選手たちは別の試合で30-30を記録しています。
なので正真正銘あと1リバウンドで30-30に届かなかったのはマカドゥーだけと言えますね。
Kevin Willis
- Atlanta Hawks
- 1991/12/03(vs Dallas Mavericks)
- 29 PTS 31 REB
44歳までNBAでプレーした鉄人ケビン・ウィリスもあと一歩で30-30を逃した選手の一人です。
あと1点足りなかったんですね。
ウィリスはこの試合フリースローを15本中4本外していて、もしあと一本でも決められていればというところでした。
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まとめ
今回は30-30にまつわる色々な記録を紹介しました。
30-30という一つの記録でも、少し掘ってみると意外な発見がありますね。
最後に
こちらの記事でもNBAの珍しいスタッツについて紹介していますので、合わせてご覧ください。
「まとめ」カテゴリーでは他にもNBAに関してまとめた記事を投稿しています。
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