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レーティングで見るNBA歴代最強ディフェンスチームTOP10



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バスケの世界ではよく「強いチームはディフェンスが良い」なんて言ったりします。

確かに2019-20シーズンのNBAを見ていても、ディフェンスの良いチームが着実に勝ち星を増やしている印象を受けます。


ではそんなNBAにおいて歴史上最もディフェンスが良かったチームは一体どこなのでしょうか?

今回は歴代のチームをレーティングでランク付けし、歴代最強のディフェンスチームTOP10を紹介したいと思います。





押さえておきたいポイント

”歴代最強ディフェンスチームTOP10”を理解するために押さえておきたいポイントはざっくりとこんな感じです。

  1. そもそもレーティングって?
  2. Adjusted Ratingとは?
  3. 歴代AdjDRtgランキングは?
  4. それはどんなチームだった?


ではこれらの疑問をしっかりと解決できるように、”歴代最強ディフェンスチームTOP10”について説明していきます。



レーティング

今回の本題である歴代最強ディフェンスチームTOP10を紹介する前にまずはレーティングについて確認しておきましょう。

ここでは「レーティングという考え方」と「Adjusted Rating」に注目します。


レーティングという考え方

”rating”は「効率」「生産性」という意味で用いられています。

なのでディフェンスレーティングであれば「ディフェンスの効率を表す指標」となるわけです。


まずはこの「レーティング」=「効率(クオリティ)を表す指標」というテーマをしっかり押さえておきましょう。


テーマ

レーティング =
効率(クオリティ)を示す指標


オフェンスやディフェンスの効率を評価するためには、チームの平均得点・平均失点だけでなく「チームごとに異なる攻撃回数」をフラットに考える必要があります。

NBAではこの攻撃回数を目安である「100ポゼッション(攻撃権)あたり」に換算して、チームや選手の効率を導き出しているんです。


詳しくは別の記事で解説していますので合わせてご覧ください。



Adjusted Rating

前項で確認した通りレーティングとは、単なる「平均得点・平均失点」から「ペース(攻撃回数)の差」を排除することによってオフェンス・ディフェンスの効率が評価できるというものでした。

しかし戦術の変化やプレースタイルのトレンド、ルール変更などによってリーグの様相は一変します。


2019年のチームと1960年のチームを同じ土俵で比べるのは流石に無理がありますよね。

なので時代が異なるチーム同士のオフェンス・ディフェンスを比較する際、そういった「時代の差」についても考慮する必要があるんです。


ここで登場するのがAdjusted Rating(Rating+)というスタッツです。


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何やら複雑な計算式に見えますが、ざっくり言うとこれは「チームのレーティング」が「そのシーズンの平均」と比べてどれだけ優れているのか劣っているのかを数値化しているんです。

なので「チームのレーティング」が「そのシーズンの平均」と全く同じ場合には数値が100になります。


レーティングをシーズンの平均に応じて調整し「時代の差」を排除する。

それによって異なる時代のチーム同士も比較可能にするというのがAdjusted Ratingのテーマなんです。


詳しくは別の記事で解説していますので合わせてご覧ください。



  1. レーティングとは効率を表す指標
  2. 平均得点だけでなく攻撃回数の差も考慮する
  3. 攻撃回数を100ポゼッションに統一
  4. レーティングで異なる時代は比較出来ない
  5. 「時代の差」を考慮する必要がある
  6. レーティングをシーズン平均に応じて調整する




歴代最強ディフェンスチームTOP10

ではここから本題である歴代最強ディフェンスチームTOP10を確認していきましょう。

それぞれのチームをAdjusted Defensive Ratingで順位づけし、当時のロスター・スタッツと共に紹介します。*1 *2


第10位 NY Knicks (1992-93)



  • AdjDRtg:108.3(DRtg:99.7)
  • 60勝22敗
  • カンファレンスファイナル進出


オールスター11回選出のパトリック・ユーイングに加え、チャールズ・オークリーやジョン・スタークスといった守備の名手が揃っていた時代のニックスが第10位にランクインです。


パット・ライリーHCの元で堅実な守備を見せたニックスは、相手のFG%を42.6%、eFG%を44.4%とリーグで最も低い数字に抑えました。

レギュラーシーズンを60勝という好成績で終えますが、マイケル・ジョーダンを擁しその年2連覇を達成するブルズにカンファレンスファイナルで破れます。


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第9位 BOS Celtics (2007-08)


  • AdjDRtg:108.7(DRtg:98.9)
  • 66勝16敗
  • NBAチャンピオン


ポール・ピアースケビン・ガーネット、レイ・アレンのBIG3結成によって、1980年代以来のNBA制覇を達成したシーズンです。


バランスのとれたディフェンスは相手のFG%を41.9%という数字に抑え、勝ち星を前年のシーズン24勝から66勝にまで大幅に増やしました。

ちなみにケビン・ガーネットはこのシーズンの最優秀守備選手賞を受賞しています。


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第8位 MIL Bucks (2019-20)


  • AdjDRtg:109.0(DRtg:101.3)
  • 56勝17敗
  • カンファレンスセミファイナル進出


この記事を書いている今はシーズンが中断していますが、歴史的な躍進を続けていたバックスが第9位にランクインです。


歴代TOP10にも入る驚異のネットレーティングを支えているのは、前年度MVPのヤニス・アデトクンボを中心とした堅実なディフェンスです。

シーズンが終了した際に改めてスタッツを確認したいと思います。


【2020年9月 追記】

2019-20シーズンは新型コロナウイルスの影響で異例づくしのプレーオフとなっています。

シーズン中断前にはあれだけの強さを誇ったバックスがカンファレンスセミファイナルでマイアミヒートに敗退。


ヤニス・アデトクンボの怪我など苦しい状況が重なったこともあり、史上最高クラスのネットレーティングを記録したチームは念願のNBAチャンピオンに到達することができませんでした。


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第7位 BOS Celtics (1960-61)


  • AdjDRtg:109.0(DRtg:84.5)
  • 57勝22敗
  • NBAチャンピオン


王朝時代のセルティックスがここで登場しました。


レッド・アワーバックHC、ビル・ラッセ、ボブ・クージー、トム・ヘインソーン、フランク・ラムジー等もはや歴史上の偉人とも言えるレジェンドたちの時代ですね。

リーグトップの134.4というペースでプレーするチームであるにも関わらずディフェンスレーティングがこれだけ低いのですから、このチームの守備がいかに支配的だったのかが分かります。


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第6位 SA Spurs (2003-04)



  • AdjDRtg:109.4(DRtg:94.1)
  • 57勝25敗
  • カンファレンスセミファイナル進出


チームを支えてきたデビッド・ロビンソンらベテランが前年で引退したことによって、ちょうど転換期を迎えた頃のスパーズです。


オフェンスレーティングはリーグ15位に止まったものの、相手のFG%を40.9%に抑えたチームディフェンスによってレギュラーシーズンを57勝で終えます。

この年は優勝こそ逃しましたが、翌年からNBAの中心となるBIG3時代の幕開けとなったシーズンでした。


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第5位 MN Lakers (1951-52)


  • AdjDRtg:109.6(DRtg:79.3)
  • 40勝26敗
  • NBAチャンピオン


NBA黎明期、ミネアポリス時代のレイカーズが第5位にランクインです。


NBA最初のスーパースターことジョージ・マイカがルールを改訂させるほど支配的だったことは有名ですが、この時期のチームディフェンスも素晴らしいものでした。

このシーズンに記録したディフェンスレーティング79.3というのは歴代NBAで最高の数字です。


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第4位 BOS Celtics (1962-63)



  • AdjDRtg:109.7(DRtg:87.4)
  • 58勝22敗
  • NBAチャンピオン


王朝時代のセルティックスが再び登場しました。8連覇の真っ只中ですから当然と言えば当然なのかもしれません。


ただこの頃のNBAと言えば、平均44.8点のウィルト・チェンバレンやシーズントリプルダブルのオスカー・ロバートソンが大暴れしていた時代です。

それだけのオフェンスを前にしてもセルティックスのディフェンスは群を抜いていたわけですね。


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第3位 BOS Celtics (1961-62)


  • AdjDRtg:110.0(DRtg:85.1)
  • 60勝20敗
  • NBAチャンピオン


またまたセルティックスです。このシーズンのセルティックスはNBAの歴史で初めて60勝を記録したチームです。

ちなみにこの年史上初のシーズントリプルダブルを達成したオスカー・ロバートソン率いるシンシナティロイヤルズは、AdjORtgが105.0と歴代でも非常に攻撃力の高いチームでした。


そのロイヤルズに対してもセルティックスは7勝1敗と圧倒しています。

5度のMVPを受賞したビル・ラッセルにとって、このシーズンの成績が彼のキャリアで7合目あたりに過ぎないという事実には畏怖の念さえ感じます。


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第2位 BOS Celtics (1964-65)


  • AdjDRtg:111.2(DRtg:84.2)
  • 62勝18敗
  • NBAチャンピオン


もちろん第2位もセルティックスです。

お察しの通りこの後の第1位もセルティックスです。


この時のロスターには殿堂入りのレジェンドが7人います。しかしそんな中でもビル・ラッセルがこの時代のセルティックスを支えていたことに疑いの余地はありません。

その証拠に彼は13年間のキャリアで11度のNBAチャンピオンに輝いています。もはやチームロスター云々の次元ではなさそうですね。


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第1位 BOS Celtics (1963-64)



  • AdjDRtg:112.9(DRtg:83.8)
  • 59勝21敗
  • NBAチャンピオン


AdjDRtgはいよいよ112.9という異次元の数字にまで到達しました。

ビル・ラッセルが29歳とまさにキャリアの全盛期を迎えたシーズンです。


このシーズンにラッセルが記録したDefensive Win Shareはキャリアハイとなる16.0

2位のチェンバレンで10.6、3位のKCジョーンズで7.0だったということからも、彼がいかに圧倒的な存在であったのかは想像に難くないでしょう。


知識の浅い筆者であっても、この時代のセルティックス王朝にレッド・アワーバックという名コーチや他のレジェンド達の存在が欠かせないということは理解しています。

にも関わらず今回これだけラッセルばかりを讃えている理由は、彼が在籍していた期間におけるセルティックスのAdjDRtgにあります。


ラッセルが在籍した13年間のAdjDRtgはなんと平均で107.9でした。ちなみに加入前年の1955-56シーズンは98.5、引退翌年の1969-70シーズンは100.1です。恐ろしい数字ですね。

固辞し続けた殿堂入りの指輪を2019年にようやく受け取ったビル・ラッセル。彼の偉大な功績はAdjDRtgという数字一つとっても後世に語り継がれるべきものでした。


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まとめ

今回は歴代最強ディフェンスチームを振り返りました。

セルティックスというよりビル・ラッセルの独壇場という感じですね。


今回紹介したTOP10以下のランキングも載せておきますので、興味がある方はそれぞれのシーズンを調べてみて下さい。


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  1. レーティングとは効率を表す指標
  2. 平均得点だけでなく攻撃回数の差も考慮する
  3. 攻撃回数を100ポゼッションに統一
  4. レーティングで異なる時代は比較出来ない
  5. 「時代の差」を考慮する必要がある
  6. レーティングをシーズン平均に応じて調整する




最後に

今回の記事では歴代最強ディフェンスチームを紹介しましたが、他にもレーティングを元に歴代最強チームを振り返っています。

こちらも合わせてご覧ください。





他にもこのブログでは様々な「ランキング」を紹介しています。
「ランキング」カテゴリーの記事一覧


「用語で解るNBAというカテゴリーではNBAの解説も投稿していますので是非覗いてみてください。
「用語で解るNBA」カテゴリーの記事一覧




(参考)
https://www.basketball-reference.com/
https://bleacherreport.com/articles/2185159-ranking-the-nbas-20-best-defenses-of-all-time



*1:今回の記事で紹介するスタッツは2020.3.7時点のBasketball-Reference.comを元に集計

*2:「Age=年齢」「Game=出場試合数」以下1試合あたりの「MP=出場時間」「PTS=得点」「TRB=リバウンド」「AST=アシスト」「STL=スティール」「BLK=ブロック」